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2025.09.13

気温差20℃の過酷な環境!朝晩の寒暖差から塗装を守るコーティングの熱膨張対策

朝晩の寒暖差が20℃前後に達する季節は、塗装・下地・パネル・コーティングの「熱膨張差」が一気に表面化する時期です。昼は強い日射でボディ温度が上がり、夜は放射冷却で急冷。この繰り返しは、塗装層のマイクロクラック(微細なひび)艶引け・白ボケ、コーティングのレベリング不良、さらにはイオンデポジット(輪ジミ)の誘発につながります。

本記事では、寒暖差が塗装へ与えるメカニズム、対策に適したコーティング設計、パネル素材別のアプローチ、そして施工〜メンテナンスまで、実践的に役立つノウハウをまとめました。栃木・宇都宮の気候を踏まえた運用のヒントもあわせて解説します。

 

熱膨張が塗装に与える影響

塗装は多層構造で膨張率が異なる

自動車の塗装は一般に下地(プライマー)→ベースカラー→クリア層の多層構造で、素材ごとに熱膨張の特性が異なります。さらに、土台となるボディ素材(鋼板・アルミ・樹脂バンパー)でも膨張収縮の挙動が違うため、昼夜の温度変動で界面応力が蓄積。結果として、艶の低下・白濁・微細な線状クラックが出やすくなります。

異材ジョイント部で起きやすい不具合

樹脂バンパーと金属フェンダーの境界、ルーフのスポット溶接部、モールやエンブレム周辺などの異材ジョイントは、熱膨張差による応力集中が起こりやすい部位です。コーティングの密着が甘いと、そこから水分やミネラルが侵入し、イオンデポジットや剥離・ムラの起点になることがあります。

イオンデポジットとの関係

昼に温まった表面へ夕立ちや夜露が当たると、急冷で水滴が濃縮され、乾く過程でミネラルが輪状に残留します。表面が微細に荒れているとミネラルが定着しやすく、洗車だけでは落ちにくい固着シミに発展。熱膨張起点の表面荒れを抑制することは、イオンデポジットの予防にも直結します。

ポイント要約

  • 多層塗装とボディ素材の膨張率差が界面応力を生む
  • 異材ジョイント部は応力集中水分侵入のホットスポット
  • 微細な表面荒れはイオンデポジットの起点になりやすい

 


寒暖差に強いコーティングの条件

追従性と硬度のバランス

温度変化に強い皮膜には、ボディの伸縮に合わせて割れずに追従できる“伸び”と、日常の摩耗に耐える表面硬度の両立が必要です。単に硬いだけでは、寒暖差でクラックが入りやすく、柔らかすぎると摩耗で艶が落ちます。設計の肝は弾性率・架橋密度・膜厚のバランスです。

温湿度レンジで性能が安定すること

朝5℃〜昼25℃など、日内で20℃変動しても、撥水・親水・防汚・耐薬品の特性が乱高下しないことが重要。温湿度管理下での塗布・乾燥で均一なレベリングを作り、皮膜を均質化することが寒暖差耐性の土台になります。

親水か撥水かの判断軸

放射冷却で夜露が多い・朝に濃霧が出やすい環境では、親水性の自己洗浄メカニズムが有効です。一方、屋根付き保管や日中のみの使用が多い場合は、拭き上げ性に優れる撥水性も選択肢になります。いずれも「均一に硬化し、ムラがないこと」が前提です。

要件 推奨仕様 狙い
追従性 適正な弾性率・膜厚設計 熱収縮のひずみに割れずに対応
硬度/耐擦傷 表層強化型の架橋 洗車傷や摩耗での艶低下を抑制
耐候/耐薬品 紫外線・酸性雨・塩分に安定 季節ストレス下でも性能維持
基材適合性 金属/樹脂/未塗装部の適合確認 部位ごとの熱膨張差に最適化

 


パネル素材別の熱膨張対策

ルーフ・ボンネット(急加熱→急冷)

対策の勘所

  • 日射で最も温度が上がり、夜に急冷する部位。均一な膜厚とレベリングが肝心。
  • 洗車は日陰・冷えた状態で行い、熱い面に水をかけない。
  • 拭き上げは吸水タオル+ブロワで水滴残りゼロを目指す。

樹脂バンパー・フェンダー(CTEが大きい)

対策の勘所

  • 樹脂は金属より膨張が大きく、界面応力が高い。追従性のある皮膜を選ぶ。
  • 塗布は端部・エッジに厚塗りしない(割れ/剥離の起点回避)。
  • 洗浄剤は素材適合を確認し、長時間の高pH/低pHに晒さない。

未塗装樹脂・モール・ガラス周り

対策の勘所

  • 未塗装樹脂は白化や静電汚れが目立ちやすい。樹脂専用保護で色あせを抑える。
  • ガラスは金属と膨張差が大きく、縁部のムラ・滲みに注意。均一塗布が基本。
  • モールは異材ジョイントの集合地。エアブラシ等で細部の均一塗布が有効。

 


秋〜冬前に実施したい下地処理と施工

洗浄・除去のステップ

基本フロー

  1. 純水or軟水の予洗い:ミネラルの再付着を抑制
  2. 虫・樹液・ピッチ除去:専用リムーバーで軟化→低圧リンス
  3. 鉄粉除去:還元クリーナー→必要最小限の粘土処理
  4. 脱脂・乾燥:塗布前の密着を高める前処理

下地研磨の狙い

微細なクラックやレベリング不良、イオンデポジットの痕跡をパネル単位で整え、コーティングが均一に密着できる面を作ります。研磨は段階設計で最小限に留め、膜厚の余力を確保することが重要です。

塗布〜乾燥〜養生

温湿度を管理した屋内環境で塗布し、均一なレベリングを確保。乾燥・硬化中は粉塵・水分の混入を避け、初期は高圧洗浄や強いケミカルを使用しないなど、養生ルールを守ることで、寒暖差環境でも安定した皮膜性能が立ち上がります。

✅ 施工直後のDO

  • 日陰保管を心がけ、急激な温度変化を避ける
  • やさしい手洗い&ブロワ併用で水滴残しゼロ
  • 同系統の補助コートで均一性を維持

⛔ 施工直後のDON’T

  • 熱いパネルへの散水・近距離高圧の噴射
  • 強アルカリ/酸の長時間放置
  • 異なる系統ケミカルの重ね使い

 


気温差20℃環境でのメンテナンス戦略

毎日できる三つの習慣

  • 朝露対策:露が残る時は出発前にブロワで水滴除去
  • 帰宅後のひと手間:虫付着は当日中に中性クリーナーでオフ
  • 週末の純水洗車:パネルごとにすすぎ→即拭き上げ

推奨ツールとケミカル

拭き上げ系

  • 大判吸水タオル(エッジソフト)
  • コードレスブロワ(低圧・広角ノズル)
  • 細部用マイクロファイバー

洗浄・保護系

  • pH中性シャンプー・中性クリーナー
  • 還元型鉄粉クリーナー(低臭タイプ)
  • 補助用メンテナンスコート(同系統製品)

⛔ 避けたいNG行動

  • 熱いボディに水をかける(急冷ショック)
  • 高圧ノズルを近距離で当てる(界面ダメージ)
  • 異なる系統のケミカルを重ね使い(相性不良)

 


宇都宮の気候を踏まえた運用のコツ

放射冷却と日中の昇温に備える

平野部の宇都宮では、晴天時の放射冷却で朝の冷え込みが強く、日中は気温が伸びやすい傾向があります。屋外駐車では夜露〜朝露の影響が大きいので、出発前の水滴ゼロ化(ブロワ+タオル)を習慣化しましょう。

保管環境での最適解

屋外保管中心なら親水性で自己洗浄を狙い、屋根付きやガレージ中心なら撥水性で拭き上げ性を高める、といった環境ベースの選定が有効です。どちらを選んでも、施工環境の温湿度管理と養生が結果を左右します。

 


アペックスで実現する寒暖差対策

温湿度管理の室内一貫施工

外気の影響を受けにくい室内ブースで、温度・湿度・粉塵を管理。塗布〜乾燥〜仕上げまで一貫して行うことで、寒暖差環境でもムラのない均一皮膜を作ります。

細部まで届く塗布技術と多灯検査

スポンジ塗布に加え、グリル・ヒンジ・モール際などは細部塗布技法で均一化。多灯照明下での面検査により、キズ・シミ・レベリング不良を見逃しません。

アフターメンテナンスの設計

半年ごとの点検・メンテナンスで、イオンデポジットや鉄粉を早期にリセット。補助コートで表層性能を回復し、寒暖差の大きいシーズンも美観と防汚を長期安定させます。

施工についてのご相談はお気軽に。お車の使用環境・保管状況・カラーや仕上がりのお好みまで伺い、最適な下地処理とコーティング設計をご提案します。

 


まとめ

朝晩の気温差20℃という過酷な環境では、塗装・素材・コーティングの熱膨張差がトラブルの種になります。対策の核心は、追従性と硬度の両立した均一皮膜を、温湿度管理下の室内で作ること。そして、異材ジョイントや端部の処理・養生・日々の水滴ゼロ化など、ディテールの積み重ねが結果を分けます。

最適な設計と手順で仕上げたコーティングは、寒暖差が大きいシーズンでも美観と防汚性を安定維持します。専門店のノウハウを活かし、あなたの一台に最適化された熱膨張対策を実現しましょう。

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下地処理×温湿度管理×細部塗布×メンテ設計で、艶と防汚を長期安定。

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