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2025.11.02

冬タイヤ交換と同時に行う!ホイール・タイヤハウス周辺のコーティングメンテナンス術

「冬タイヤに替えるついでに、足元まわりも一気にきれいにしたい」——そんな声にお応えして、ホイールとタイヤハウス(フェンダー内)を効率よく整える手順をまとめてみました。ブレーキダストや融雪剤の影響を抑えつつ、コーティングの効きを長持ちさせるコツを、今日から使える道具と流れに落とし込んでいます。交換日を“年に一度の大掃除デー”にして、冬の間のメンテに活用してください!


冬タイヤ交換日はチャンス:ホイールとタイヤハウスを“リセット”する段取り

ホイールを外すタイミングは、ふだん手が入りにくいタイヤハウスの洗浄・保護まで一気に進められます。先に汚れを流し、乾かしてから保護層を重ねるのが基本です。また、ホイールは研磨などでのキズ除去が困難なパーツなため、キズを最小に抑えることも重要なポイントです。不要な摩擦を避け、泡で包んでから触れる流れにすると、小キズの発生を抑えられます。

用語のひとこと定義:親水=水が面で広がる/疎水・撥水=水が玉になって転がる(見た目の水弾き)/pH=酸・アルカリの度合い(中性はおおむねpH6〜8)/膜厚=被膜の厚み(μm・nm)/イオンデポジット=水滴が乾いて残る無機ミネラルの固着痕。


直前48時間の下準備:粉じん・融雪剤・油分を安全に落とす洗い方

48〜24時間前:予洗い→中性シャンプーで「触る前に流す」

ブレーキダスト(鉄粉)や路面の粒子を先に水で流すと、接触時の傷リスクが減ります。シャンプーは中性(pH6〜8)を基本に、泡を置いて汚れを浮かせてからやさしく洗います。ホイールも同様に、冷えた状態で行うと仕上がりが安定します。

24〜12時間前:乾燥→コーティングの「犠牲膜」を用意

乾かしたあと、ホイール表裏や樹脂ライナーにスプレー型の簡易コーティングを薄く重ねると、撥水と汚れの離形性が上がり、洗浄で汚れが落ちやすくなります。ベースコーティングの上に“更なる犠牲膜”を一枚足すイメージです。

当日朝:工具と養生を先に準備

  • ジャッキポイントの確認、ゴムパッドやウマ(リジッドラック)を用意。
  • フェンダー縁とブレーキ周りは簡易養生(マスカー)でミスト付着を予防。
  • 仕上げ用のマイクロファイバーは用途別に色分け(ホイール/ボディ/樹脂)。

注意:安全第一で進めます。車体の下に入らない、平坦で硬い地面で作業する、締付トルクは車両整備書の指定に従う(締付は最終的に専門店対応が安心)など、基本ルールを守ってください。


ベースプロセスを足元用に最適化:洗う→整える→守る

洗う:ホイールとハウスを“上から下へ”

  • ハウス内の泥・塩をシャワーで流し、落ち切らない部分は柔らかいブラシで補助。
  • ホイールは表面→スポーク→インナーの順で、泡を置いてから軽接触。
  • 鉄粉が多い場合は鉄粉除去剤をスポット使用(TDSの希釈・放置時間を厳守)。

整える:水抜きと乾燥を丁寧に

ボルトホールやバルブ周りは水が残りやすい場所です。ブロワーで水を抜き、布で押さえるように拭き取ります。ここでムラを残さないと後のコーティングが安定します。

守る:素材別に最適な保護剤を選ぶ

  • 塗装/アルミ(ホイール):簡易コーティング剤やホイール専用品で耐熱・防汚を強化。
  • 樹脂パーツ:水性の樹脂保護剤で防汚・帯電低減。さり気ない艶感タイプが実用的。
  • ゴム部品:水性タイプの専用剤でパーツを保湿。溶剤系は膨潤の原因になるため避けます。
部位/素材 推奨クリーナー(pH目安) 保護剤の方向性
塗装ホイール/アルミ 中性(pH6〜8)中心、鉄粉は専用品をスポット SiO2トップで撥水・防汚を上乗せ
樹脂ライナー/インナーフェンダー 中性洗浄+柔らかブラシ 水性樹脂コートで帯電・汚れ付着を抑制
ゴム(ブーツ/シール) 中性洗浄、溶剤・油は避ける 水性ドレッシングで保湿(テカり控えめ)

融雪剤(凍結防止剤)とブレーキダストに強い設計:pHと素材の相性を押さえる

冬道の塩化物(NaCl/CaCl2など)は金属腐食を促進し、乾湿の繰り返しで固着・白化を招きます。走行後は早めのリンスで塩分を落とし、金属部は乾きやすい環境に置くのが有効です。ホイールのブレーキダストは鉄(酸化鉄)主体で、固着前に中性洗浄+必要箇所のみ鉄粉除去でコントロールします。

注意:強力な酸性・高アルカリのホイールクリーナーは、放置時間や希釈を誤ると塗装や金属にダメージを与えます。日常は中性域を基本にし、頑固な箇所のみ専用品+短時間処理→即すすぎを徹底しましょう。

✅ DO(やるべき)

  • 走行直後の足元は先にリンス(塩分・砂を流す)。
  • 中性シャンプーで泡を置き、やさしく接触洗浄。
  • 乾燥後にSiO2簡易トップを薄く重ね、前掛け層を用意。
  • 鉄粉は専用品でスポット処理、放置時間はTDSに従う。

⛔ DON’T(避ける)

  • 砂や塩が付いたままの乾拭き。
  • 高温のホイールに薬剤を噴霧。
  • 酸性・高アルカリ剤の長時間放置や高濃度運用。
  • ゴム部に溶剤系ドレッシングを多用。

今日から使える“道具セット”:最低限で結果を出す

道具 役割 ポイント
加圧式スプレー/ホース 予洗いで塩と砂を先に落とす 「触る前に流す」でキズ予防
中性シャンプー(pH6〜8)+スポンジ/ミット 泡で包んでやさしく洗浄 二層バケツで砂の再付着を防ぐ
鉄粉除去剤(ホイール用) 固着ダストのスポット溶解 TDS順守・短時間・即すすぎ
簡易コーティング(スプレー) 撥水・防汚の犠牲被膜層を作る 薄く均一、拭きムラは軽く追拭き
水性タイプの液剤/樹脂保護剤 ゴム・樹脂の保護と帯電低減 テカり控えめで実用性重視

 


やりがちNGとリカバリー:最小ダメージで戻すコツ

NG:固着汚れを力でこする

粒子や塩が残ったままの擦りはスクラッチの原因です。リカバリーは薬剤選定(中性→専用品の順)と放置時間の短縮、たっぷりのすすぎで対応します。

NG:ゴムや樹脂に溶剤系を多用

艶は出ても長期的には劣化を早めます。リカバリーは水性へ切り替え、表面の油分を中性でオフしてから薄く保護します。

チェック:

  • 乾燥後に白残りやムラがないか(イオンデポジットや塩の再結晶)。
  • ホイール裏面の指触りがツルッと軽いか(保護層の有無)。
  • ゴム・樹脂にテカり過多やベタつきがないか。

帰宅後24時間のアフターケア:再付着させない“ひと手間”

当日〜翌朝:予洗い→中性洗浄→水抜き

走行直後は塩分が湿って落ちやすい状態です。ホイール・ハウスともに予洗いで軽度な汚れを流し、中性洗浄→ブロワーで水抜きの順で戻します。イオンデポジット化を防ぐため、乾燥は素早く行います。

再コート:簡易コーティングの上塗りで“楽さ”を維持

簡易コーティングを薄く追い、次回の洗浄をより短時間に。冬の間は「流す→触る→守る」のルーティンを小さく回すのがコツです。


アペックスで“冬支度メンテ”を実装するメリット

屋内環境での施工管理と素材別レシピ

室内で温湿度を管理し、ホイール・樹脂・ゴム・塗装の各素材に合わせたケミカルを選定します。ベースコーティングに干渉しないトップの組み合わせまで設計するので、日常の洗車が軽くなります。

徹底した下地作り

足元は汚れやすいぶん、ベースコーティングをしっかりと硬化させることが、施工後のお手入れのしやすさを左右します。プロならではの「徹底した下地作り」で、冬を安全に乗り切る施工をご提供します。


結論の持ち帰り:明日から変える3ポイント

  • 触る前に流す。予洗いで砂と塩を先に落としてから中性洗浄。
  • 素材に合わせて守る。ホイールはスプレー型簡易トップコーティング、樹脂は水性保護、ゴムは水性ドレッシング。
  • 犠牲被膜でお手入れを楽にする。薄く均一に前日仕込み→当日は短時間で戻せます。

冬タイヤ交換日を“足元リセットデー”に。

下地×室内施工×トップ最適化×正しい運用で、ホイールもタイヤハウスも汚れにくく。

👉 宇都宮でのコーティングはアペックスまで

参考文献

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