コーティング施工前の磨き作業の重要性!下地処理で仕上がりが劇的に変わる理由

「コーティングはしたのに、新車みたいな透明感が出ない…」——そんなご相談、実は原因の多くが施工前の磨き(下地処理)にあります。下地を整えると、光の映り込みと被膜の密着が段違いに変わります。この記事では、なぜ磨きが効くのか、どこまで磨けば安全か、温湿度や露点(結露し始める温度)まで含めて、今日から使えるチェックと段取りに落とし込みました。まとめてみました。メンテと施工計画に活用してください!
目次
施工前に洗い出す“塗装のいま”:磨きが必要かを3分で見極める
コーティングの見栄えと寿命は、下地の状態でほぼ決まります。最初に「水の動き」「映り込み」「手触り」の3点を見ます。撥水(みずをはじく)、親水(みずがシート状に広がる)、疎水(みずが勢いよく流れる)は、初期状態とのギャップで劣化を判断します。
クイック診断の手順
- 清水テスト:日陰で清水をかけ、ビード形状・流下速度・残水の有無を確認。乾きに白輪(イオンデポジット)が出るなら要是正。
- 映り込みテスト:LEDライトを斜めに当て、くもり(微細スクラッチ)や輪染みの有無を確認。
- 手触りテスト:マイクロファイバーを軽く滑らせ、ザラつき(鉄粉・樹液残り)を把握。
磨きで仕上がりが劇的に変わる理由:光学(映り込み)×化学(密着)の両輪
磨きは「傷を浅く整える」「表層の酸化・汚染を除く」「塗面を平滑化する」工程です。表面がなだらかになると、光が乱反射せず像のくっきり感(DOI:鮮明度)が上がります。同時に、油分や酸化膜を除くことでコーティングが塗面と化学的に結合しやすいクリーンな足場になります。結果として、艶・色の深み・撥水/疎水の均一性、そして耐久が安定します。
磨き後に必ずやる“脱脂”の意味
- 研磨オイルやシリコーンが残ると、被膜の定着が不均一になります。
- 溶剤系のパネルワイプで油分をオフ。日陰・常温(15〜25℃)で作業すると揮発が安定しムラを防げます。
- 露点差(室温−露点)を3℃以上確保。結露は密着不良の大敵です。
“洗う→整える→研ぐ→脱脂”のベースプロセス:失敗しない順番とpH/温湿度
ベース整備は洗う→整える→研ぐ→脱脂→コーティングの順で進めます。気温は15〜25℃、湿度は40〜70%を基準にすると安定し、乾燥ムラや研磨焼けを避けやすくなります。洗浄は中性(pH7前後)を選び、酸・アルカリの強いケミカルはスポットで最小限に。
フローと注意点
- 洗う:高圧で砂埃を十分リンス→中性シャンプー→徹底すすぎ→速乾拭き上げ(イオンデポジット予防)。
- 整える:鉄粉・ピッチ・樹液を適切なケミカルで化学的に除去。熱いパネル(40℃超)は厳禁。
- 研ぐ:テストスポットでコンパウンドとバフを決定。必要最小の回数で平滑化。
- 脱脂:研磨オイルを溶剤系ワイプでオフ。クロスは面替えして二度拭き。
| 症状(例) | 原因イメージ | 現場対応(下地処理) | 再発防止 |
|---|---|---|---|
| モヤっとしたくもり | 微細スクラッチの乱反射 | 軽研磨(フィニッシュ系)→脱脂 | 大判クロス・直射日光回避の洗車 |
| 白い輪染み(イオンデポジット) | 水滴乾燥でミネラル固着 | ミネラル除去→必要なら軽研磨→脱脂 | 洗車は日陰・速乾拭き上げ・純水仕上げ |
| ザラつき・茶色点 | 鉄粉・ピッチ、酸化付着物 | ケミカル除去→点検→必要ならスポット研磨 | 月1の軽いディコン(化学的除去) |
やりがちNGとリカバリー:研磨の“やり過ぎ”を避ける最小ダメージ戦略
強いコンパウンドやウールバフは切削が速い反面、クリア層の消耗も増えます。まずはテストスポットで最小の組み合わせを探し、足りなければ段階的に上げる方法が安全です。
最小ダメージで戻すコツ
- 最初はフィニッシュ系×フォーム(柔)で開始→必要時のみ一段階アップ。
- 端・角・プレスラインは圧を抜く。バフはパネルに対しフラットに。
- 熱管理:パネル温度40℃超はNG。発熱を感じたら休ませる。
- オイル残りは光沢の錯覚。必ず脱脂で素地の状態を確認。
✅ DO(やるべき)
- 必ずテストスポット→手法を決めてから全体施工
- 日陰・常温(15〜25℃)で作業、露点差3℃以上
- 中性洗浄→ディコン→軽研磨→脱脂の順を守る
- パネルごとに新しい面のクロスを使う(二度拭き)
- 光学(映り込み)と化学(密着)の両方をチェック
⛔ DON’T(避ける)
- 端・角を同圧で長時間当てる
- 脱脂を省略してオイルの“艶”で判断する
- 強酸・強アルカリを広範囲に高濃度で使う
- 直射日光下や熱いパネルでの作業
- 水滴放置(イオンデポジットの再発要因)
今日から使える“道具セット”:最低限で結果を出す下地ツール
道具は必要最小限でOK。品質に投資すると作業が安定し、切削も仕上げもぶれません。
ミニマム構成
- pH中性シャンプー、ディコン用ケミカル(鉄粉/ピッチ用)
- ダブルアクションポリッシャー+フォームバフ(仕上げ/中間)
- 研磨コンパウンド(中間/フィニッシュ)
- パネルワイプ(溶剤系脱脂剤)と低リントのマイクロファイバー
- 照明(演色性の高いLED)と厚み計(塗膜計)
チェック:
- 塗膜計で基準値を取り、端・角はマスキングで保護。
- クロスは面替え運用。脱脂クロスと拭き上げクロスは分ける。
- ケミカルはラベルの希釈通り(中性帯を基本、強い薬剤はスポット運用)。
”1000倍希釈” 洗車用中性カーシャンプー【コーティング車対応】
プロ推奨の中性カーシャンプーを使用したい方、泡立ちに不満を持っている方向け。
ご購入はこちらから→ ”1000倍希釈” 洗車用中性カーシャンプー
”プロが選ぶ“クロスカットスリット入り洗車スポンジ【コーティング車にもおすすめ】
洗車キズを軽減したい人。洗いやすい洗車スポンジを探している人に。
ご購入はこちらから→ ”プロが選ぶ“クロスカットスリット入り洗車スポンジ
”高機能洗車用純水器”Hydro Clean PRO (ハイドロクリーンプロ) スターターセット
洗車中の水シミ(イオンデポジット)対策。
ご購入はこちらから→ Hydro Clean PRO (ハイドロクリーンプロ) スターターセット
直前48時間の仕上げスケジュール:温湿度と露点の管理までセットで
磨きの効果をコーティングに確実に渡すには、直前48時間の段取りが大切です。屋内(ホコリ管理)・常温(15〜25℃)・湿度40〜70%を目安に進めます。
タイムライン(例)
- T−48〜36h:洗車(中性)→化学的ディコン→乾燥。
- T−36〜24h:テストスポット→研磨メニュー決定→全体研磨。
- T−24〜12h:脱脂→静置(再にじみ除去)→最終拭き。
- T−12〜0h:コーティング塗布→初期硬化を妨げない環境を保持。
アペックスで“下地の可視化”をするメリット:測って、見せて、最小研磨
当店は膜厚計でパネル1枚1枚の膜厚を測定し、塗装への負担を最小化し、研磨を行います。徹底した下地処理を行うことで、映り込みなどの美観はもちろんのこと、長期的な耐久性を実現しています。


結論の持ち帰り:明日から変える3ポイント
- まず測る:塗膜厚と症状を見て、必要最小の研磨だけを選ぶ。
- 順番を守る:中性洗浄→ディコン→研磨→脱脂→コーティングの基本フロー。
- 環境を整える:15〜25℃・湿度40〜70%・露点差3℃以上で、密着と艶を安定化。
参考文献
- DeFelsko:Measuring Coating Thickness on Automotive Substrates(自動車塗膜の一般的厚みの概説)https://www.defelsko.com/learning-center/measuring-coating-thickness-on-automotive-substrates
- Gtechniq:Panel Wipe & Coating Application Guidelines(研磨オイル除去と脱脂の重要性)https://gtechniq.com/product/maintenance/paint/panel-wipe/
- CarPro:CQUARTZ UK Application(下地処理・脱脂・温度/湿度レンジの注意)https://www.carpro-us.com/collections/cquartz/products/cquartz-uk-edition
- 3M Perfect-It™ Paint Finishing(研磨工程のテストスポットと段階選定)https://www.3m.com/3M/en_US/collision-repair-us/paint-finishing/
- Jotun:Climatic Conditions for Painting(塗装時の露点差3℃以上の推奨)https://www.jotun.com/ww/en/b2b/knowledge/technical-advice/climatic-conditions-for-painting