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2025.12.09

未塗装樹脂パーツを保護する!白ボケを防ぐコーティングの基礎知識

「バンパーの未塗装樹脂、最初はマットで黒かったのに、いつの間にか白ボケしてきた…。」そんなご相談を毎週いただきます。結論はシンプルで、未塗装樹脂は“素材”そのものを紫外線と汚れから長期で守る設計にすると復活も維持も安定します。市販品でも十分な艶は出ますが、あくまでも一時的なものとなりますので、
専門店での施工がおすすめとなります。この記事では、白ボケの正体、コーティングの仕組み、DIYでできる範囲と専門店の仕上がり差までを、現場目線でまとめてみました。今日からのメンテに活用してください!


春の点検前に洗い出す「未塗装樹脂」のコンディション:白ボケ・退色・艶ムラの確認

未塗装樹脂(PP・TPO・ABSなど)は塗装クリヤーがないため、紫外線(UV)や熱、洗剤の影響を直接受けます。白ボケは“チョーキング”と呼ぶ表面劣化で、ポリマーの分解や微細な表面粗化が原因です。まずは乾いた状態と濡らした状態の双方で色味と艶を確認し、白粉状の汚れが手に付くかもチェックします。

用語のミニ定義

  • 白ボケ(チョーキング):紫外線や酸化で樹脂表面が粉を吹いたように白く見える現象。
  • 親水/疎水/撥水:水が広がる/ややはじく/強くはじく性質(接触角で表現)。
  • pH:酸・アルカリの度合い。中性付近(pH6〜8)は素材とコーティングへ負担が少ない。
  • 膜厚:コーティング被膜の厚さ。樹脂用セラミック系は概ね0.2〜1.0μmの薄膜で均一性が重要。

経年樹脂のベースプロセス:洗う→脱脂→整える→守る(コーティング前の下地づくり)

手順の全体像

白ボケが出ている樹脂ほど「汚れの除去」と「表面の均一化」が効きます。以下の順で触る回数を最小にして品質を上げます。

  • 洗う:高圧予洗い→中性シャンプー(pH6〜8)でブラシ跡を残さないタッチ洗い→流水でリンス。
  • 脱脂:IPA(イソプロピルアルコール)等で軽脱脂。油分やドレッシング残渣を除去。
  • 整える:白化が強い箇所は専用クリーナーで酸化膜を薄く整え、素材の地色を均一に。
  • 守る:樹脂用コーティングを薄く均一に塗布→所定時間で余剰をオフ→室内で初期硬化を管理。

ポイント

コーティングは「薄く・均一に・連続面で」。塗り重なりや拭きムラは艶ムラの原因です。テクスチャ(梨地)面は一方向スイープで整えるとムラが出にくくなります。

樹脂ごとの最適解:PP/TPO/ABSで“乗り”が変わる理由

素材特性と密着の勘所

  • PP(ポリプロピレン):低極性で密着しにくい素材。下地の脱脂と乾燥を徹底し、樹脂適合のシラン/シロキサン系を選びます。
  • TPO(熱可塑性オレフィン):PPにエラストマーをブレンド。柔軟性が高く、薄膜で追従性のあるコーティングが好相性。
  • ABS:比較的極性がありクリーナーの影響を受けやすい。強溶剤の長時間接触は避け、短時間で拭き取り。

チェック

テストピースや目立たない部位で「塗布→1〜3分→拭き上げ」を試し、艶変化とムラを確認してから本番へ移ります。

直前48時間の仕上げスケジュール:乾燥・温湿度・静電気の管理

メーカーTDSでは、施工環境の目安として15〜25℃/40〜70%RH、硬化の目安として初期24時間・フルカ cure 5〜7日を推奨する例が多いです。直前48時間は雨天走行と強アルカリ洗剤を避け、施工当日は静電気対策と風のない室内で作業します。

管理項目 推奨値・目安 根拠・狙い
温度/湿度 15〜25℃/40〜70%RH 反応・溶剤揮発の安定化、ムラ低減
洗剤のpH 中性(pH6〜8)中心 素材と被膜の負担を最小化
初期硬化時間 24時間は濡らさない・触らない 定着前の跡・ムラ・ホコリ噛みを防ぐ
フル硬化 5〜7日(目安) 耐薬品性・耐候性が立ち上がる

症状が出たら:白ボケ・艶ムラ・水滴跡(イオンデポジット)への現場対応

現場での対処プロトコル

  • 軽度の白化:中性洗浄→樹脂用クリーナーで酸化膜を除去→樹脂用コーティング薄膜で均一化。
  • 強い白化・退色:部分的にクリーナー処理を複数回→ベース色が戻ったら保護被膜で封止。
  • 艶ムラ:塗り重なり部の余剰を早めにオフ。時間を置きすぎたら軽い再塗布で均一化。
  • イオンデポジット:弱酸性ミネラルリムーバーで中和→流水で完全リンス→乾燥・ブロー。

チェック

梨地面は光の当たり方でムラが見え方を変えます。斜め照明・距離を変えながら、連続面で均一に見えるかを確認しましょう。

やりがちNGとリカバリー:最小ダメージで戻すコツ

✅ DO(やるべき)

  • 中性シャンプー(pH6〜8)で優しく洗う。強ブラシの擦り込みは避ける。
  • IPA等で軽脱脂→テスト塗布→一方向拭きでムラ予防。
  • 施工は15〜25℃・40〜70%RH・無風の室内で行う。
  • 初期24時間は濡らさない、5〜7日は強洗剤を避ける。
  • 月1回の弱酸処理でミネラルをリセットし艶を維持。

⛔ DON’T(避ける)

  • 強アルカリ/強酸の原液放置(白化や艶ムラの原因)。
  • ボディ用コンパウンドを梨地樹脂に擦り込む(白ダレ・目詰まり)。
  • 強溶剤での長時間の擦り作業(テクスチャ崩れ)。
  • 屋外直射日光下での塗布・拭き上げ(乾きムラ)。
  • 濡れたまま放置して乾燥(イオンデポジットの輪郭形成)。

今日から使える“道具セット”:最低限で結果を出す(未塗装樹脂版)

必要最小限の構成

  • 中性シャンプー(高潤滑タイプ)+柔らかい洗浄スポンジ。
  • IPAベースの脱脂剤(樹脂対応表示のあるもの)。
  • 樹脂用コーティング(シラン/シロキサン系・樹脂適合TDS付き)。
  • 短毛のマイクロファイバークロス数枚(面替え用)。
  • 弱酸性ミネラルリムーバー(定期の水滴跡対策)。
  • 送風ブロワー(エンブレム周りやモールの水切り用)。

勘所

「浮かす→流す→飛ばす→薄く守る」。手数と荷重を減らすほど、梨地の質感と色が長持ちします。

市販ドレッシングと専門施工の違い:持続・耐候・均一性で比較

市販の艶出しは即効性が魅力ですが、一時的な油膜であることが多く、雨や洗車で落ちやすいのが実情です。専門施工は素材密着型の薄膜を作り、紫外線や薬品への耐性を長期で確保します。

比較項目 市販ドレッシング(代表例) 専門店コーティング(樹脂用)
持続目安 数週間〜数か月 半年〜1年以上(運用次第)
被膜の性質/膜厚 油性膜・可塑化/実質的に極薄 シリカ系薄膜(0.2〜1.0μm)
耐候/耐UV 限定的 紫外線や薬品に強い設計
均一性(梨地) ムラになりやすい 下地整え+室内硬化で安定
メンテの手間 頻繁な塗り直しが必要 月1のリセットで艶を維持
注意:市販品で艶が出ても一時的です。白ボケの根本原因(紫外線劣化・酸化)を止めなければ、数週間で元に戻ります。長期維持は「素材に密着した保護膜」を優先しましょう。

アペックスで「未塗装樹脂コーティング」を実装するメリット(ショップ価値)

測る・整える・守るの一貫設計

  • 素材適合のクリーナーで酸化膜だけを狙って除去し、地色を均一化。
  • 温湿度を管理した室内で塗布→拭き上げ→初期硬化。温度15〜25℃・湿度40〜70%RHをキープ。
  • フル硬化までの運用(洗剤pH・乾燥・ブロー)までセットでご案内。

ポイント

「ムラを作らない設計」と「硬化管理」が仕上がりの差です。特に梨地面は“連続面での均一感”が命です。

結論の持ち帰り:明日から変える3ポイント

  • 選ぶ:未塗装樹脂は“樹脂適合”のコーティングを。市販の艶出しは一時的と割り切る。
  • 整える:中性洗浄→脱脂→酸化膜リセット→薄く均一に。温湿度を管理する。
  • 守る:初期24時間は濡らさない。月1の弱酸リセットでイオンデポジットも同時ケア。

未塗装樹脂の白ボケは「原因に効く保護膜」で止めましょう

酸化膜リセット×室内硬化管理×樹脂適合コート×運用設計までワンストップでご提供

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参考文献

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