黒い車におすすめのコーティングは?色ムラ・小キズを防ぐ施工ポイント

「黒いボディって、洗ってもすぐ小キズが目立つし、水滴跡も残りやすい…。」そんなお悩みを毎日のように伺います。結論から言うと、黒い車ほど“親水性で対擦傷性に優れたコーティング”を選ぶと、キレイの維持をしやすくなります。この記事では、黒特有の見え方の理由、親水コーティングの理屈、具体の施工・メンテ手順までを、現場の視点でまとめてみました。今日からの洗車とコーティング選びに活用してください!
目次
梅雨前に洗い出す「黒塗装のコンディション」:小キズ・色ムラ・イオンデポジットの把握
まずは現状把握です。黒は反射が少なく、浅い線キズ(シルクラインスクラッチ)やオーロラ状の磨き痕が白ボケとして目に入りやすい色です。さらに水滴が乾くとミネラルが残り、輪郭状のイオンデポジットとして映り込みを濁らせます。点検では「洗車キズ」「深さのあるスクラッチ」「イオンデポジット」「鉄粉・ピッチ」の4分類で見ていきましょう。

用語のミニ定義
- 親水:水が薄く広がる性質(接触角<90°)。
- 疎水/撥水:水をはじく性質(接触角>90°)。丸いビーズ状の水滴が残りやすい。
- 膜厚:塗膜の厚み。OEM塗装は下地からなる多層で、ベースコート約10〜20μm、クリヤー約30〜50μmが目安。
- pH:酸・アルカリの度合い。洗剤は中性付近が塗膜・コーティングに優しい。
黒い車のベースプロセス:洗う→整える→守る(親水コーティング前の下地づくり)
手順の考え方(3ステップ)
黒は「触るほど痕が出やすい」色です。だからこそ、触る回数と荷重を減らす流れを徹底します。
- 洗う:高圧洗浄で予洗い→中性シャンプーで潤滑→たっぷりの流水ですずぐ。直射日光は避け、面ごとに素早く洗いましょう。
- 整える:ケミカルでイオンデポジットの軽度除去→軽度の鉄粉を除去→塗装面の固着物が除去できたことを確認し、塗装面を研磨で整えます。
- 守る:親水性トップを均一にのせ、乾燥・初期硬化を室内で管理。
ポイント
黒は「均一さ」が命です。親水トップはムラが見えにくい一方、塗り重なり部の余剰分は塗装面の曇りの原因になります。拭き上げクロスは高密度でキズが入りにくいクロスを使用。一定方向に優しく拭いていきます。
屋外/屋根下/通勤距離別:親水・疎水・撥水コーティングの挙動比較
仕上がりと維持のしやすさは、駐車・走行環境で変わります。黒に限れば、屋外保管や長距離通勤ほど親水が有利です(当社の施工統計と再来店時の観察に基づく)。
| 項目 | 親水(推奨) | 疎水 | 撥水 |
|---|---|---|---|
| 接触角の目安 | <90°(水がシート状に流れる) | ≈90°前後(ややビーズ) | >100°(強いビーズ) |
| 水滴の残り方 | 面全体で薄く流下→滞留が少ない | 小滴が点在 | 大粒のビーズが残りやすい |
| イオンデポジット傾向 | ◎(残渣の輪郭ができにくい) | ○ | △(輪っか状に残りやすい) |
| 黒での見え方 | 深い艶が均一に出やすい | ビーズ跡が点描になることあり | 乾きムラ・輪郭が目立つことあり |
| 推奨環境 | 屋外・屋根下・長距離通勤 | 屋根下中心の保管 | 短距離・屋内中心+拭き上げ徹底 |
イオンデポジットが出たら:原因→現場対応→再発防止(黒ボディ編)
原因
水道水や地下水のミネラル(Ca、Mg、ケイ素など)が乾燥後に残ることが主因です。高温パネルや直射日光下の急乾、濃い撥水ビーズの滞留が拍車をかけます。
現場対応
- 軽度:中性シャンプー洗浄→専用の弱酸性ケミカルで中和除去→十分にすすぐ。
- 中度:ケミカル+軽い
- 磨きで輪郭をぼかす。
- 重度:クリアに浅いエッチング痕が入るため、段階研磨で平滑復元→再コート。
チェック
黒は「取れた/残った」が映り込みで即わかります。斜めのLEDで面を寝かせ、均一に見えるかを毎工程で確認します。
やりがちNGとリカバリー:最小ダメージで戻すコツ
✅ DO(やるべき)
- 直射日光・高温パネルを避け、面ごとに洗って即リンス。
- pH中性のシャンプーを適正濃度で。潤滑を最優先。
- 拭き上げは短毛高密度クロス+送風ブローを併用。
- 親水トップを定期に補充し、面の均一性を維持。
- 月1の軽ケミカルでミネラルをリセット。
⛔ DON’T(避ける)
- 濃い撥水を選んで乾拭きだけで済ませる運用。
- 強アルカリや強酸の洗剤を高濃度で長時間放置。
- 汚れをこすって落とす発想(荷重の高いスポンジ)。
- 濡れたままの青空放置や走行風乾のみ。
- 黒ボディに長毛ふわふわクロスで円を描く拭き方。
今日から使える“道具セット”:最低限で結果を出す(黒×親水の相棒)
最小装備
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- 中性シャンプー&洗車スポンジ(潤滑&傷防止重視)。
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- 高密度マイクロファイバー × 数枚(面替え用)。
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- 送風ブロワー(ドアミラー・モールの水切り)。
- 弱アルカリ性カーシャンプー(定期の油汚れ除去)
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- 親水トップの補充剤(施工店指定のメンテ液)。
勘所
「触る前に浮かす・流す・飛ばす」。この順で荷重ゼロに近づけると、黒の線キズは激減します。
栃木・宇都宮の気候に合わせる運用:放射冷却と夕立の“乾き”に備える
宇都宮は冬の放射冷却で朝露が出やすく、夏は夕立の直後に強い日差しが戻ります。どちらも乾燥速度が速く、ミネラルの輪郭を作りがちです。帰宅後24時間は「濡れたら拭く/風で飛ばす」を徹底すると、親水トップの恩恵が最大化します。なお、市内で親水系を扱う専門店は多くありません(当社調べ)。迷ったら一度塗装状態の確認と併せて、ご相談ください。
アペックスで「黒×親水」を実装するメリット(ショップ価値)
測る・見せる・仕上げる
- 塗膜計でベース/クリヤの余力を把握し、磨き量を最小化。
- 照明・偏光で乱反射を可視化し、研磨は段階的に最短手数。
- 室内で温湿度を管理し、親水トップを均一に定着。
ポイント
黒の艶は「平滑さ×均一さ×残留物ゼロ」で決まります。親水トップは水滴形状を“面”に変え、日常の乾きムラを抑えます。
結論の持ち帰り:明日から変える3ポイント
- 選ぶ:黒は「親水+対擦傷性」を最優先。屋外・長距離ほど効果大。
- 洗う:中性・高潤滑→ブロー→マイクロファイバークロスで一定方向の軽拭き。
- 守る:月1の定期的な洗車で汚れの固着を防ぐ。
参考文献
- Royal Society of Chemistry(RSC)「Coatings for Automotive Applications – Basecoat Thickness」:https://pubs.rsc.org/en/content/chapter/bk9781849739101-00137/978-1-84973-910-1
- DeFelsko「Automotive Coating Thickness Measurement」:https://www.defelsko.com/resources/automotive-coating-thickness-measurement
- American Coatings Association「The Mechanics of Scratch and Mar」:https://www.coatingsworld.com/contents/view_online-exclusives/2017-04-11/the-mechanics-of-scratch-and-mar/
- ASTM D7027/D7027M-20「Standard Test Method for Evaluating Scratch Resistance of Organic Coatings」:https://www.astm.org/d7027_d7027m-20.html
- J-STAGE「Wettability and Contact Angle(接触角と濡れ性の基礎)」:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpi/70/5/70_5_297/_article/-char/en
- Biolin Scientific「Hydrophilic vs. Hydrophobic Surfaces」:https://www.biolinscientific.com/blog/hydrophilic-vs-hydrophobic-surface
- Elsevier(Review)「A review on solubility and polymerization of silica」:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0375650589900096
- DuraSlic DS 1500X TDS「Ideal Application Conditions 21–27 °C / 40–60%RH(代表例)」:https://www.duraslic.com/wp-content/uploads/2020/05/TDS-DS-1500X.pdf